よのなかフォーラム
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タイトル 短編小説『ダンゴムシ』
投稿日: 2020/05/21(Thu) 08:37
投稿者USA

短編小説『ダンゴムシ』

「ねぇパパ。なんで僕がダンゴムシさんを触るとダンゴムシさんは丸くなるの?」
「それはね、、、」
敵から体を守るためだよ、と言いかけて口を噤んだ。そもそも4歳の息子はダンゴムシにとって敵なのか?生物は生存本能に基づき敵を威嚇したり、敵から逃亡したり、あるいは身を隠したりする。それはそうだとしても4歳の子供を前にして敵だ味方だということ自体の説明が難しい。
そんなことを考えていると、中々息子の問いかけに言葉が出ずに私は困ってしまった。そして逆に息子に聞いてみた。
「なんでダンゴムシは丸くなると思う?」
少しばかり息子は考える。
ダンゴムシをツンツンしながら考える。
そして徐ろに、
「それはな、ダンゴムシさんは恥ずかしがりやさんだから。恥ずかしいから丸くなってお顔を隠してるの」

そうなのである。生物学者の皆さま、世紀の大発見なのです。ダンゴムシは生物学的に本来恥ずかしがりやであり、見知らぬものに出会うと本能的に顔を覆い隠すのです。
身を守るためにダンゴムシが身を丸くするといった理論は大人の凝り固まった思考からくるものであり、実はダンゴムシはシャイゆえに丸まることが判明したのです。

そんなことを考えていると急に息子が愛おしくなりついつい抱きしめてしまった。

日常にも未だ見ぬ世紀の大発見は多く潜んでいるものなのだ。


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