よのなかフォーラム
[記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 沈黙
投稿日: 2019/11/16(Sat) 00:18
投稿者USA

『沈黙』(新潮文庫)遠藤周作

舞台は江戸時代の長崎。キリスト教を禁教として弾圧していた時代です。
「あるキリスト教の宣教師が日本での布教活動中に役人に捕われ拷問の末に棄教した」
ポルトガルにいた宣教師はそんな噂を耳にしたのですが、とても事実だとは信じられなかったのです。なぜならその日本に渡った宣教師はとても信仰深くそして意志が強く棄教などするはずがないからです。
その真実と日本の現状を確認するために、「私」である宣教師は日本に旅立つ、といったストーリーです。

古典チャレンジは『人間失格』『潮騒』に続き本作で3作目ですが、このチャレンジを試みて良かった。なぜなら純粋に古典は面白い。語り継がれるだけあって骨太感が半端ではないのです。
まず背景描写が実に上手い。ありありと情景が脳裏によぎります。そしてそれぞれ扱うテーマが普遍的なので、作品自体は古くても内容自体に古さを全く感じないのです。

『沈黙』のテーマは宗教ですが、その根本は人間です。宣教師であろうと厳しい状況では心が揺れ動く。それが人間というものなのでしょう。遠藤周作はその心情を実にリアルにそして巧みに描写しています。文句なしの名作だと思います。

『本を読む人だけが手にするもの(古典編)』自薦または他薦本50冊のうち3冊目の書評


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
Eメール
タイトル
メッセージ   手動改行 強制改行 図表モード
参照先
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー