よのなかフォーラム
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タイトル インスピレーション童話『笑顔』
投稿日: 2019/11/07(Thu) 22:49
投稿者USA

僕はね、お母さんが何人かいたんだ。
小さい頃の僕はそれが当たり前だと思っていたから、ちっとも不思議なんかじゃなかった。
優しいお母さんもいたし、ちっとも優しくないお母さんもいたよ。
だからなのかな。僕は子供の頃から上手に笑うことができなくてね。僕自身が上手に笑えない分、誰かの笑顔をみることがとても好きだったの。
だから大きくなったら人を笑顔にできることをしたいなってずっと思っていたんだ。
ほんとにそのことだけを考えてた。
僕が作った会社はどんどん大きくなったんだ。僕の会社で働く人もみんな笑顔だったから、会社が大きくなればもっともっと笑顔が見られると思って頑張ったんだよ。
僕はもっともっと笑顔がみたいと思って、僕によくしてくれる人にお金をあげることにしたんだ。
そしたらね、そんなことをするのはよくないことだよ、って僕をしかる人が出てきたんだ。
僕はね、ただ笑顔が見たかっただけなのに、それはいけないことだと言われたからね、もう何がなんだかわからなくなっちゃった。
気がつけば僕のまわりには誰もいなくなっちゃった。
僕は結局こころの底から笑うっていうことがどういうことかわからなかった。
まわりから誰もいなくなっちゃって、今までの僕はなんだったんだろうと思ってさ。
そしたらさ、そのことがおかしくなってさ。
おかしくっておかしくって、もう笑いが止まらなくなってさ。
あぁ、そうか。これが「笑う」ってことなのかってようやく気づいたんだ。
でもこれが笑うってことならちっとも嬉しくないな。僕のまわりで笑っていた人たちはこんな気持ちで笑っていたのかな。
なんだか違う気がする。
でももういいや。ちょっと眠くなったから眠ることにするよ。
夢の中では上手く笑えるかな。


(著者あとがき)
ノンフィクションと古典を読んでいて、僕の心と脳にはすでに様々な感情が入り組んでいます。その感情をストレートに表現したいと思い、あえて童話風にしてみました。
今回の作品は主に『江副浩正』と『人間失格』をもとにインスピレーションされた作品です。
やはりノンフィクションと古典は心にズシリときます。


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