よのなかフォーラム
[記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル Re: 本を読む人だけが手にするもの(小説編)
投稿日: 2019/10/05(Sat) 22:40
投稿者浜口倫太郎 < >

廃校先生を選んでいただきありがとうございます。
つい先日、東京の共立女子中学校で夏の課題図書で『廃校先生』を選んでいただき、千人の生徒さんの前で講演させてもらいました。
自作が読者の人生にわずかでも変化でも与えられたことが、作家としては最大の喜びです。
来年の二月、三月あたりに、廃校先生ぐらい手応えのある作品を出せそうです。またそちらもよろしくお願いします。



> 『本を読む人だけが手にするもの(小説編)』のチャレンジを昨年の10月にスタートさせてから約1年を要しました。
> このチャレンジは「よのなかフォーラムで推薦されている小説を読んで、どのような変化が自分に起こるかを試してみよう」といったチャレンジです。
>
> 1 僕が読んだ50冊
> 2 マイベストファイブ
> 3 僕の変化
> 4 まとめ
>
> この4点に沿ってこのチャレンジを振り返りたいと思います。
>
> 1 僕が読んだ50冊
> まず始めに、よのなかフォーラムで推薦されている本の中から僕が読ませていただいた小説50冊をご紹介したいと思います。
> 推薦本だけあっていずれも素晴らしい作品ばかり。それではスタートです。
> (1)クローズド・ノート(角川文庫)雫井脩介
> (2)コンビニ人間(文藝春秋)村田沙耶香
> (3)何者(新潮文庫)朝井リョウ
> (4)送り火(文藝春秋)高橋弘希
> (5)廃校先生(講談社)浜口倫太郎
> (6)悼む人(文藝春秋)天童荒太
> (7)利休にたずねよ(文芸文庫)山本兼一
> (8)羊と鋼の森(文藝春秋)宮下奈都
> (9)下町ロケット(小学館)池井戸潤
> (10)誘拐(筑摩書房)本田靖春
> (11)武曲(文春文庫)藤沢周
> (12)武道館(文藝春秋)朝井リョウ
> (13)蜜蜂と遠雷(幻冬舎)恩田陸
> (14)イノセント・デイズ(新潮文庫)早見和真
> (15)悪の教典(文藝春秋)貴志祐介
> (16)島はぼくらと(講談社)辻村深月
> (17)サラバ!(小学館)西加奈子
> (18)木曜日の子ども(角川書店)重松清
> (19)箱の中の天皇(河出書房新社)赤坂真理
> (20)歓喜の仔(幻冬舎)天童荒太
> (21)握る男(角川文庫)原宏一
> (22)消滅世界(河出書房新社)村田沙耶香
> (23)ぼくのメジャースプーン(講談社)辻村深月
> (24)生きるぼくら(徳間書店)原田マハ
> (25)空の走者たち(ハルキ文庫)増山実
> (26)望み(角川書店)雫井脩介
> (27)冷たい校舎の時は止まる(講談社)辻村深月
> (28)月光(中央公論新社)誉田哲也
> (29)王とサーカス(東京創元社)米澤穂信
> (30)Ank : a mirroring ape(講談社)佐藤究
> (31)ホケツ!(祥伝社文庫)小野寺史宜
> (32)スクラップ・アンド・ビルド(文藝春秋)羽田圭介
> (33)罪の声(講談社)塩田武士
> (34)虹を待つ彼女(角川書店)逸木裕
> (35)オーダーメイド殺人クラブ(集英社)辻村深月
> (36)慈雨(集英社)柚月裕子
> (37)破天荒フェニックス(幻冬社)田中修治
> (38)QJKJQ(講談社)佐藤究
> (39)笑うハーレキン(中央公論新社)道尾秀介
> (40)ユートロニカのこちら側(早川書房)小川哲
> (41)狼の牙を折れ(小学館)門田隆将
> (42)マチネの終わりに(文藝春秋)平野啓一郎
> (43)小説 天気の子(角川文庫)新海誠
> (44)人魚の眠る家(幻冬社)東野圭吾
> (45)ユートピア(集英社文庫)湊かなえ
> (46)ライフ(ポプラ社)小野寺史宜
> (47)虚ろな十字架(光文社)東野圭吾
> (48)平場の月(光文社)朝倉かすみ
> (49)陸王(集英社文庫)池井戸潤
> (50)優しい死神の飼い方(光文社)知念実希人
>
> 2 マイベストファイブ
> 次に僭越ながら、推薦本50冊の中から僕が特に面白いと感じた本を5冊ご紹介したいと思います。
> (1)廃校先生(講談社)浜口倫太郎
> 田舎で廃校を余儀なくされた学校。残り少ない学校生活の中で、生徒そして先生はどのような思いで時を過ごすのか。とても心が温まるストーリー。きっと登場人物が好きになるでしょう。
> (2)蜜蜂と遠雷(幻冬舎)恩田陸
> 天才ピアニスト達の心情、音色を見事に描写しています。ぜひこの小説に出てくる音楽を聴きながら楽しんでみてください。小説を立体的に感じることができるでしょう。
> (3)島はぼくらと(講談社)辻村深月
> 瀬戸内のとある島を舞台にした物語。島には様々な事情を抱えた人がやってきます。主人公である高校生4人はそんな人たちと様々な関わりを持ちながら精神的に成長していきます。僕はこの作品を読んで辻村さんが好きになりました。
> (4)人魚の眠る家(幻冬社)東野圭吾
> 脳死というテーマを基に、死とは何か?家族とは何か?愛とは何か?僕は一児の父親として感情移入せざるを得ませんでした。
> (5)ライフ(ポプラ社)小野寺史宜
> 主人公である幹太は30歳手前のフリーター。アルバイトをしながらワンルームの一階に住んでいるのですが、その真上に騒がしい住人が越してきます。その住人との出会いから幹太にどのような変化が起こるのか。
> 小野寺さんの小説はどれも優しい温もりを感じます。小野寺さんもきっと優しい人なんだろうなぁと勝手に想像したりもしました。
>
> 3 僕の変化
> 小説を読むことで僕の中に様々な変化が起こりました。それは行動であったり、考え方であったり。どんな変化があったか。まとめてみました。
> (1)小説を書いてみた
> 「短編小説」として自作の小説をこの掲示板に何度も投稿させていただきました。気がつけばその数は20本となっていました。
> 作品の出来は決して誇れたものではございません。しかし事実として20本の作品が誕生しました。この事実が大事だと思っています。なぜなら小説を読んだからこそ生まれたものだからです。小説を読むことで僕の脳は刺激され、そして大いに感化され、僕自身の様々な経験と化学反応が起こり、そして作品となったのです。もし小説を読んでなければ僕の短編小説は決して生まれませんでした。
> インプット無しには0から1を生み出すことは出来ないと身をもって経験することができました。
> (2)景色が違ってみえる
> 僕は家族とよく旅行します。日本中いろいろな場所に足を運びます。昨年は富山の立山を訪れました。電車の車窓から望む立山連峰はそれはそれは息をのむ美しさでした。誰が見ても美しいことに変わりはないのですが、以前の僕ならそこまで美しいと感じなかったかもしれません。小説を読むことで僕の感受性が多少なりとも豊かになったため、今までにない気持ちで「美しい」を感じることができるようになったと思うのです。景色を見ながら「あの小説家ならこの美しさをどう表現するのかな」などと考えたりしながら胸を躍らせることもあります。それだけでも少し人生が豊かになったような気がします。
> (3)小説を通して話題が広がる
> さすがにこれだけ小説を読むと自分が読んで良かったと思った小説を薦めたくなります。それはこの掲示板であったり、親戚との集まりであったり、会社の同僚との飲み会であったり。いろいろな場で小説の話題をソフトな感じで提供できれば、それは時としてとても素晴らしいスパイスとなり相手を刺激することでしょう。
> (4)自分を知る
> どの小説にも作者が読者に届けたい「テーマ」が必ずあります。作者はそのテーマをどこまでも深く掘り下げ作品を仕上げています。
> そのテーマは家族であったり、愛であったり、自殺であったり、いじめであったり、実に様々です。その度に読者である僕は自分の人生と照らし合わせながら様々なことを考えます。小説を読めば読むほど自分と向き合うことになり、結果自分のことを深く考えそして自分を知ることになります。
> (5)人の話をじっくり聞く
> 多くの小説は最後の最後までどんな結果が待っているかわかりません。それゆえに最後までじっくりと集中力を持って読む力が求められます。小説チャレンジを通して僕にも少しばかりの集中力が身についたように思います。
> ある時から意識するようになったことですが、それは誰かと会話や議論をする時に、とりあえず相手の話が落ち着くまではじっくりと耳を傾けるということです。小説を読み通す力は相手の話を聞き通す力に直結するように僕は思います。話を途中で遮られていい気持ちになる人はいないと思います。話をしっかりと聞くという意識を自分の中に持てたことは大きな変化でした。
> (6)通勤時間がなくなる
> 読書が習慣となった僕にとって、通勤時間は完全に読書の時間となっています。本を読んでいるとあっという間に時が過ぎます。特に小説はヤバいです。「ぼくのメジャースプーン」を読んでいた時などあまりに内容に入り込み過ぎて駅を通り過ぎてしまい、危うく仕事に遅刻しかけました。
> (7)現実が曖昧になる
> 小説を読み、それに感化され、自作の小説を作る。そんなサイクルを繰り返していると時々「あれ、今は想像の世界にいるの?それとも現実?」みたいな感じでどこかフワフワしたような状態になりました。
> 小説は想像の世界です。僕が作った短編小説も想像の世界です。つまりある意味で「自分で世界を創り上げた」とも言えると思います。
> そうなるとふと思うのです。
> 例えば現実の世界で悩みごとがあったとします。それは仕事であったり恋愛であったり受験であったり子育てであったり。
> でもその悩みってどこからくるものなのでしょう。それは他でもなく自分が想像しあるいは創造したことで生まれるものだと思います。
> だから現実の中で存在すると思っているほとんどのことは、実は自分が想像し創り出したものにすぎないのではないか。そんな風に思います。
> そうなってくると一体どこまでが現実でどこまでが想像の世界なのか。そこが曖昧になるという不思議な経験をしたのです。
> なんだか哲学的な話になってしまいましたね。
> でもこの小説チャレンジはそんなことを考えてしまうほど僕に大きなインパクトを与えました。
>
> 4 まとめ
> このチャレンジをしている時、僕はなんだか旅に出ているような気持ちになりました。小説の世界ではたくさんの登場人物に出会います。そしていろいろな場面に遭遇します。
> 何冊も小説を読んでいると、時にはある小説の登場人物が違う小説の登場人物と会話を始めます。
> 僕の脳の中で。
> もしあの人がこの小説の場面にいたら、きっとこんな風にピンチを切り抜けるだろうなとか、あんな風に周りを和ますだろうなとか、たくさんの想像をしました。想像し、心がドキドキワクワクする。それはまさに旅そのものでした。
>
> 皆さまもどうでしょう。もしよろしければ旅をしてみてください。その先にどんな世界が待っているか。それはあなただけのお楽しみです。
>
> PS
> 僕もまだまだ旅を続けます。どんな世界が待っているかな。楽しみです。


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
Eメール
タイトル
メッセージ   手動改行 強制改行 図表モード
参照先
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー