よのなかフォーラム
[記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 悪の教典
投稿日: 2019/01/26(Sat) 21:04
投稿者USA

『悪の教典 』(文藝春秋)貴志祐介

高校教師である蓮実聖司は自分にとって邪魔なものを無慈悲に殺す。動物を殺す。両親を殺す。同僚を殺す。生徒を殺す。

なぜそんなことができるのか?まずは頭脳が天才的に明晰であること。その頭脳をもって相手の気持ちや行動を心理学的に「分析」します。しかし「共感」はできません。蓮実聖司には他者に共感する心というものが決定的に欠落しているからこそ殺戮することに何の躊躇いもないのです。
その一方、性欲処理のために教え子と関係をもつ、相手を意のままにしたいという所有欲がある、とにかく極めて自己中心的な怪物なのです。

ひたすら殺戮を犯す描写の中で、一体著者は何が描きたくてこの小説を書いたのか?
どんな小説にも著者が読者に届けたいメッセージは必ずあるものだと僕は思います。僕はこの小説のメッセージは次の一文に集約されていると思います。

「他人の痛みを想像できない人間は、本質的には、蓮実と何ら変わらないのだから。」


『本を読む人だけが手にするもの(小説編)』(よのなかフォーラム出版)皆さまからの推薦本50冊のうち15冊目の書評


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
Eメール
タイトル
メッセージ   手動改行 強制改行 図表モード
参照先
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー