よのなかフォーラム
[記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 武曲
投稿日: 2018/12/15(Sat) 17:27
投稿者USA

『武曲』(文春文庫)藤沢周

この作品には多くのテーマが内在されているのでどの観点から書評を述べるべきか迷います。
しかしあえて選ぶとすればやはり親子関係でしょう。

矢田部研吾は幼い頃から父である将造に剣道を叩き込まれます。しかし父の指導は「剣道とは殺人剣である。殺す気で相手に挑め」といった異常なものであり、それに呼応するかのように親子関係も歪に屈折していきます。やがてこの親子は文字通りの「死闘」を繰り広げることになります?その結果は、、、。
これ以上書評を述べるとこれからこの小説を読む方の楽しみがなくなるので内容についてはこれくらいにしておきます。

僕は藤沢周氏の作品を始めて読みました。その構成力に、僕は驚懼の中にいながら読み進めました。「親子関係」というテーマを小説の序盤から読者に投げかけます。しかしなぜ父が阿修羅の如く息子に接するのか、その「なぜ」が小説の終盤まで明かされません。その間読者は否が応でも様々な想像をします。そして自身の人生をも反芻させることでしょう。知らぬ間に読者はその小説の世界にはまり込み、読み終えるまでその世界から抜け出せないでしょう。

『本を読む人だけが手にするもの(小説編)』(よのなかフォーラム出版)皆さまからの推薦本50冊のうち11冊目の書評


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
Eメール
タイトル
メッセージ   手動改行 強制改行 図表モード
参照先
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー