[リストへもどる]
一括表示
タイトル異邦人
記事No5330
投稿日: 2020/07/24(Fri) 16:39
投稿者USA
『異邦人』(新潮文庫)カミュ

太宰治の「人間失格」の海外版といったところでしょうか。
主人公のムルソーは人が持ちうる一般的な感情が欠落しています。
自分の母親が亡くなったにもかかわらず、特に哀しむこともなく翌日には恋人とデートを楽しみます。
ある時、彼は友人を襲った人物を銃で射殺します。なぜ殺したのかと弁護士や判事に問われても「太陽が眩しかったから」と常軌を逸した回答をするのです。
彼は周りが求めるものが何かはわかっているのです。しかし自分に嘘をついてまで周りに同調するようなことに意味を見いだせないのです。
そんな彼を周りの人々は「異邦人」だと思うことでしょう。でもムルソーからするとその他人こそが自分にとっての「異邦人」に他ならないのです。

『本を読む人だけが手にするもの(海外文学編)』50冊のうち6冊目の書評(1000冊のうち151冊目)