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タイトル激走!日本アルプス大縦断
記事No5242
投稿日: 2020/05/05(Tue) 16:08
投稿者USA
『激走!日本アルプス大縦断』(集英社文庫)NHKスペシャル取材班

皆さんは「トランスジャパンアルプスレース」というものをご存知でしょうか?
このレースは富山から静岡間の415kmを制限時間7日間で縦断するというものです。まさしく縦断なのです。なぜならその経路の間には北アルプス、中央アルプス、南アルプスが連なり、完走するには富士山を7回登山する計算になるそうです。
この本はNHKでテレビ放送された内容には収まりきらなかったことを伝えるために出された本なのですが、あまりの過酷さに僕は言葉を失いました。参加者は途中で猛烈な睡魔に襲われたり幻覚や幻聴に襲われたりと、常に人間の限界に挑みます。それでもなぜ彼らは走り続け、そして挑み続けるのか。
それは読んでからのお楽しみです。

本を読む人だけが手にするもの(ノンフィクション編)』自薦または他薦50冊のうち16冊目

タイトルぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
記事No5249
投稿日: 2020/05/10(Sun) 23:13
投稿者USA
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)ブレイディみかこ

この本は本当におすすめです。
著者はイギリスに暮らす保育士で、本著は息子さんが通う公立中学校の生活を綴ったノンフィクションです。
その中学校は貧しい地域にある学校で、そこに通う生徒は人種から考え方まで実に多様性に富んでます。それゆえに人種差別があったり、性差別があったりと多くの問題を抱えているのです。しかしそこに通う生徒は様々な状況に揉まれながらも実に逞ましく生きています。
何より著者の息子さんの真っ直ぐで誠実なさまには本当に心が洗われます。ちょっと感動しました。

本を読む人だけが手にするもの(ノンフィクション編)』自薦または他薦50冊のうち17冊目(1000冊のうち134冊目)

タイトルRe: ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
記事No5253
投稿日: 2020/05/12(Tue) 22:32
投稿者ようへい
次のゴール設定が1000冊になっていますね・・

一度の人生、たら、れば、もありません。

どのように振る舞い、どのようなレスポンスを感じながら
その先の最後の瞬間に何が待ち受けているのか。

その過程と結果に 恐れと希望 をもって
少しずつ、でも、確実に 最期の その時に向かっている。

自分の人生について少し想像してみました。

奈良市在住 ようへい

タイトル消された一家
記事No5256
投稿日: 2020/05/13(Wed) 22:44
投稿者USA
『消された一家』(新潮文庫)豊田正義

松永太という人物が鬼畜の如く人を殺害していきます。しかし決して自分の手を汚しません。愛人らを利用するのです。
松永はまず他人の心を徹底的な暴力により支配し懐柔します。支配された側はやがて松永の思い通りに動きます。そして殺害するのです、自分の身内を自分の手で。
僕は読みながら何度か吐き気に近いものを感じました。今まで読んだノンフィクションの中で最も身の毛がよだちました。こんな悪魔が現実に存在するのか。完全に小説の世界を超えています。
身も蓋もない話ですが、こんな属性の人間に対し心理的にどうとか、更生できる余地がどうとかそんなことを議論する意味は全くないように思います。ここまで常軌を逸した行動がとれる心理とはいかなるものか、そんなものは本人にしか理解できないでしょう。
あまりにも内容が過激なので正直お薦めはできません。覚悟して読んだ方がよろしいかと思います。

本を読む人だけが手にするもの(ノンフィクション編)』自薦または他薦50冊のうち18冊目(1000冊のうち135冊目)

タイトルRe: 消された一家
記事No5271
投稿日: 2020/05/22(Fri) 09:31
投稿者ようへい
> 『消された一家』(新潮文庫)豊田正義
>
> 松永太という人物が鬼畜の如く人を殺害していきます。

このような人物に対する人権と殺害された人の家族の想い
どちらが優先されるべきか。
この点は、多くの方に納得解をお聞きしたいところです。

奈良市在住 ようへい

タイトルしんがり
記事No5273
投稿日: 2020/05/22(Fri) 22:43
投稿者USA
『しんがり』(講談社)清武英利

「しんがり」とは戦に敗れて退くとき、軍列の最後尾に踏みとどまって戦う兵士たちのことを言うそうです。
バブルが弾けたと同時に山一証券は自主廃業をしました。多くの幹部が倒産と同時に転職などで山一証券を去る中、「なぜ倒産に至ったか」を徹底的に解明すべく廃業後も会社に留まった12人の実話です。

著者はかつて読売巨人軍代表であったのですが、あることが理由で解任されます。著者は山一のしんがり達と自身を照らし合わせて本作を作ったのではないでしょうか。

この本を読むと組織を生かすも殺すも結局は「人」に尽きるとつくづく思い知らされます。
実社会では正直で真っ当に生きることがどれだけ大変か。しかしその当たり前のことから逃げ続けた結果が、山一証券の倒産ひいてはバブルを引き起こしたと思います。
骨太で読み応え充分な作品でした。

本を読む人だけが手にするもの(ノンフィクション編)』自薦または他薦50冊のうち19冊目(1000冊のうち137冊目)

タイトルボブという名のストリート・キャット
記事No5283
投稿日: 2020/05/31(Sun) 11:39
投稿者USA
『ボブという名のストリート・キャット』(辰巳出版)ジェームズ・ボーエン

なんと言えばいいか。本当におすすめです。感動します。
主人公のジェームズは元ホームレス。何をやってもうまくいかず、自暴自棄になりやがて薬に手を出すことに。そんなジェームズが彼に出会うことで人生が劇的に動き出すのです。その彼とは、そう表題にもあるとおり「猫」であるボブなのです。
ボブは野良猫だったのですが、ジェームズはどうしてもボブを見捨てることができず一緒に暮らすことを決意します。暮らすうちにジェームズにはボブに対し親心のようなものが目覚め、ある種の責任感をもつようになります。ボブもジェームズを心より頼りにしています。
ボブは人を引き寄せる不思議な魅力があり、ジェームズが路上でビッグイシューという雑誌を販売しているときもボブ見たさに通行人は足を止めます。ボブを通してジェームズ自身も他人の温かさに触れ、自分を省みることで薬物からも脱却します。
人間立ち直ることは決して容易ではありません。けれども「変わりたい」と願いそして努力し続ければ、誰かがきっと救いの手を差し伸べてくれるのかもしれませんね。その誰かとは猫ちゃんかもしれませんよ。

本を読む人だけが手にするもの(ノンフィクション編)』自薦または他薦50冊のうち20冊目(1000冊のうち140冊目)