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タイトルこころ
記事No5098
投稿日: 2020/01/11(Sat) 02:49
投稿者USA
『こころ』(新潮文庫)夏目漱石

ちょっとこの作品を読んでかなりの衝撃を受けたので、少し様変わりの小説『先生』を作ってみました。

『本を読む人だけが手にするもの(古典編)』自薦または他薦50冊のうち7冊目の書評

タイトルRe: こころ
記事No5121
投稿日: 2020/01/25(Sat) 23:00
投稿者カズ
> 『こころ』(新潮文庫)夏目漱石

 ようやく読み終えました。
 一字一句、読み逃せない小説ですね。

 1914年に発刊された単行本(その前に朝日新聞連載)ですから、100年以上経っている作品なのですが、十分に現代的だと思いました。

 漱石の心理描写がすごい。「私の神経は相手から照り返して来る反射のないために段々静まりました」とか、「そうして人間の胸の中に装置された複雑な機械が、時計の針のように、明瞭に偽りなく、盤上の数字を指し得るものだろうかと考えました。要するに私は同じ事をこうも取り、ああも取りした揚句、漸く此処に落ちついたものと思って下さい。」・・・とか。

 「こころ」というタイトルは、発刊当時は「心(ルビ:)こゝろ」となっていたようですが、この漱石の「こゝろ」は、どちらかというと私たちの感覚でいう「良心」のことを指していて、普通の心のことは「自然」(自分の自然というような)と表記しているような気もしました。

 神経症的な部分も感じながら、現代人のどうしようもない「孤独」と「疎外感」を描いているようにも受け止められますよね。

タイトルRe^2: こころ
記事No5122
投稿日: 2020/01/26(Sun) 10:45
投稿者USA
>  「こころ」とタイトルは、発刊当時は「心(ルビ:)こゝろ」となっていたようですが、この漱石の「こゝろ」は、どちらかというと私たちの感覚でいう「良心」のことを指していて、普通の心のことは「自然」(自分の自然というような)と表記しているような気もしました。

漱石にしろ太宰にしろ遠藤周作にしろ、名作を生み出す方々はこの点を実にうまく表現していると思います。
人間誰だって聖人君子のようなこころでありたい。純粋でありたい。しかし純粋な人であればあるほど人間の本能とでもいうべき自愛的なものがどうしても現れてきてしまう。そして良心と本能の間に悩み苦しみ、そして疲れ果ててしまう。

古典の作家には命を削りながら作品に向き合っているような凄まじさを僕は感じます。