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タイトル細雪
記事No5065
投稿日: 2019/12/13(Fri) 18:43
投稿者USA
『細雪』(新潮文庫)谷崎潤一郎

文庫3冊でおよそ1,000ページ。
かなりの長編です。

主人公は4姉妹。舞台は大阪と神戸芦屋です。
この4姉妹はいわゆる上流階級の出です。
長女鶴子と次女幸子は結婚しています。三女雪子と四女妙子はまだ未婚。
長女の家庭がいわゆる本家にあたり、他は分家となるため雪子と妙子は芦屋にある幸子の家庭に居候のような形で同居しております。

雪子はお見合いを繰り返します。
上流階級のため妥協した婚約はできない。だからあーでもないこーでもないと言っているうちに、本人の内気な性格も相まってどんどん婚期を逃していきます。
そして四女妙子。妙子の性格は奔放そのもの。婚約相手のようなものがあるのですが、雪子が先に結婚しないことには世間体が悪く自分が先に結婚できません。
しかし妙子は人形作りや洋服作り、習い事にと興味は尽きず、女性が家庭に入ることが当たり前の時代において結婚の優先順位は高くありません。

時代背景が今とかなり違うので、時々「?」がいろいろ頭を過ぎるのですが、それを差し置いても谷崎潤一郎の人物描写はやはり見事と言わざるを得ないでしょう。
日常生活が話題の中心なので、作品の成否は人物の心情描写にかかっていると思います。それがやはり素晴らしい。
四姉妹のキャラクターというか性格の設定が明確なので、作品のどの場面を切り取っても
「いや、幸子はそんな風には思わんやろ〜」といった矛盾した描写がないのです。だから長編であってもすんなりストーリーが頭に入ってくるのです。

僕は登場人物の中で幸子の夫である貞之助が漢気があって好きです。谷崎潤一郎自身がモデルなのかな?

『本を読む人だけが手にするもの(古典編)』自薦または他薦本50冊のうち5冊目の書評

タイトルRe: 細雪
記事No5070
投稿日: 2019/12/22(Sun) 21:30
投稿者ようへい
USA様

いつもありがとうございます。

時代背景は古くても、なんだか今でもあり得る背景でもあるように感じます。

人物描写の優れている作家とお会いすると見透かされているようで怖く感じるのかなと、想像してしまいます。

4姉妹という現代ではほぼ絶滅危惧種の設定が何故か、小説、CM、などでは時々出てくるのは四天王、四強といった4と言う数字の魔力なのかと細かいことも気になったりします。笑

奈良市在住 ようへい