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タイトル沈黙
記事No5044
投稿日: 2019/11/16(Sat) 00:18
投稿者USA
『沈黙』(新潮文庫)遠藤周作

舞台は江戸時代の長崎。キリスト教を禁教として弾圧していた時代です。
「あるキリスト教の宣教師が日本での布教活動中に役人に捕われ拷問の末に棄教した」
ポルトガルにいた宣教師はそんな噂を耳にしたのですが、とても事実だとは信じられなかったのです。なぜならその日本に渡った宣教師はとても信仰深くそして意志が強く棄教などするはずがないからです。
その真実と日本の現状を確認するために、「私」である宣教師は日本に旅立つ、といったストーリーです。

古典チャレンジは『人間失格』『潮騒』に続き本作で3作目ですが、このチャレンジを試みて良かった。なぜなら純粋に古典は面白い。語り継がれるだけあって骨太感が半端ではないのです。
まず背景描写が実に上手い。ありありと情景が脳裏によぎります。そしてそれぞれ扱うテーマが普遍的なので、作品自体は古くても内容自体に古さを全く感じないのです。

『沈黙』のテーマは宗教ですが、その根本は人間です。宣教師であろうと厳しい状況では心が揺れ動く。それが人間というものなのでしょう。遠藤周作はその心情を実にリアルにそして巧みに描写しています。文句なしの名作だと思います。

『本を読む人だけが手にするもの(古典編)』自薦または他薦本50冊のうち3冊目の書評

タイトルRe: 沈黙
記事No5045
投稿日: 2019/11/16(Sat) 15:07
投稿者カズ
> 『沈黙』(新潮文庫)遠藤周作

 文句なく遠藤周作の最高傑作。
 宗教とは何か? 信じるとはどういうことなのか?・・・をクリスチャンの著者が描き切った、現代人必読の書だと思います。

タイトルRe: 沈黙
記事No5046
投稿日: 2019/11/17(Sun) 11:04
投稿者ようへい
USA様

書評ありがとうございます。

宗教に対する信仰心がほぼ皆無の理系人間の私ですが、
人間は生きていく上で自己承認欲求が満たされているかで大きく人生の幸福度が異なるように感じています。

今までもそうでしたが、将棋の子を読みまして改めてそう思ういました。(USA様のトライアルの影響です。(^_^))

自己承認の手段が1万時間の努力か信仰心かそれは個々が自由で良いと思いますが、その有無は決定的に幸福度に寄与していることは私の中の確信です。

また古典が永久に不滅であることは音楽でも同じで
今でも年越し前後で第九を耳にしたり、ジングルベルを聞いたり、
流行によらない永久不滅のコンテンツに敬服します。

いつもありがとうございます。

奈良市在住 ようへい