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タイトル将棋の子
記事No5031
投稿日: 2019/11/04(Mon) 11:12
投稿者USA
『将棋の子』(講談社文庫)大崎善生

僕には突出した才能はありません。でもそれは実は幸福なことなのかもしれません。
そう思えてしまうほどプロの世界は厳しいものだと思い知らされます。

天才と称される子供たちが棋士になろうと将棋連盟の「奨励会」に集います。将棋の天才達が凌ぎを削るわけですがそこにはルールがあります。それはある年齢までに4段まで昇段しなければ奨励会から退会する、というルールです。つまり20代半ばにして多くの棋士がプロの道を強制的に絶たれるわけです。
今まで将棋でしか生きてこなかった人間がその道を絶たれた時、どのような道を彼らは歩むのでしょうか。そこにはどこまで厳しい現実が待っています。
羽生善治といった光の裏には確実に影が存在する。いや、影があるからこそ光が際立つのか。いずれにしてもこういった現実は誰もが知るべきだと思います。

ぜひ読んでいただきたい本です。

『本を読む人だけが手にするもの(ノンフィクション編)』自薦または他薦本50冊のうち3冊目の書評

タイトルRe: 将棋の子
記事No5032
投稿日: 2019/11/05(Tue) 15:05
投稿者ようへい
USA様  いつもありがとうございます。

> 僕には突出した才能はありません。でもそれは実は幸福なことなのかもしれません。
→中途半端な才能で身を滅ぼすことはあるのかもしれませんが、内よりある方良いと私は考えています。自分の能力が業界水準でどの位置にあるのか見失わないという条件で。

> そう思えてしまうほどプロの世界は厳しいものだと思い知らされます。
→好きなことを仕事にする。好きなことだけで生きていく。
 これを実行する場合、その業界がレッドオーシャンか。ブルーオーシャンか。難易度はどうか。などのリサーチが非常に大切とは思いますが、スポーツアスリート、芸人、アイドルや将棋・囲碁の世界は熾烈そうです・・
>

> 天才と称される子供たちが棋士になろうと将棋連盟の「奨励会」に集います。将棋の天才達が凌ぎを削るわけですがそこにはルールがあります。それはある年齢までに4段まで昇段しなければ奨励会から退会する、というルールです。つまり20代半ばにして多くの棋士がプロの道を強制的に絶たれるわけです。

満21歳(2002年度以前の奨励会試験合格者においては満23歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となる。
上はwikipediaでの奨励会の年齢制限ですが、逆にこのルールによってその先の人生が救われる方も沢山いると私は思うので、厳しくも優しいルールだと思います。


> 今まで将棋でしか生きてこなかった人間がその道を絶たれた時、どのような道を彼らは歩むのでしょうか。そこにはどこまで厳しい現実が待っています。
→今まで野球しかしてこなかった、今まで勉強しかしてこなかった、今までプログラミングしかしてこなかった。。。
様々な今まで○○しかしてこなかった・・・は確かにあります。
しかし、実際は、全ての人が○○ししてこなかったわけでは無く、○○以外の部分が実はその後の人生に大切なんだろうと思います。

イチローや野村元監督、落合元監督のコメントは哲学者よりも哲学者らしく、元ロッテの里崎選手や元巨人の笠原選手のyou tubeは非常に面白かったりと・・日々の積み重ねは小さく見えても同じ事だけしている訳ではないのでしょうか。

それでもプロの将棋の世界は、特にその頂への道のりが果てしなく遠く、将棋自体が人生に例えられたりする背景には、多くの挫折していく天才達の物語があることは間違いないと私も思います。

最後に将棋に関する記事で私が最も感動した記事をリンクしておきますので是非一度ご一読下さい。
涙無しには読めません。

泥にまみれた塚田九段が譲れなかったもの -『将棋電王戦』第四局 "棋士の意地"すら超えた、勝負への壮絶な執念
https://news.mynavi.jp/article/20130417-denousen/

奈良市在住 ようへい