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タイトル「自己肯定感」カフェでのお礼
記事No4940
投稿日: 2019/09/23(Mon) 23:09
投稿者牧師のたまご < >
参照先https://www.facebook.com/nobuyoshi13
藤原様

本日は渋谷のカフェにて突然失礼いたしました。
また、温かく受け入れてくださって本当にありがとうございました!!


私は、ベンチャー企業で人事を経験し、多くの高学歴層の学生と対話をしてきました。
その中で、あるとても輝かしい成果を出している学生と出会い、この出会いによって「自分は何を目的に生きていくべきか?」という壮大な問いと出会いました。


私はその輝かしい成果を出す学生はどのようにして形成されていったのかとても興味を持ち、「どうしてこんなに頑張れるの?」と質問をしました。
するとその学生は、
「自分は死んだ方がいいと思っている。そんな不安が後ろから追いかけてきていて、追いつかれないように走っているだけ。」
と大粒の涙をこぼしながら答えました。
「死んだほうがいい」と一度も考えたことがない私はそれを聞き、天地がひっくり返るような感覚になりました。


その出来事以降、面接の場では、学生の素直で飾らない、心の底にある本当のモチベーションの源泉を探るようになりました。
そして、目を見張るような成果を出してきた学生であればあるほど、心の底では「自己肯定感の欠乏」を強く感じており、それがモチベーションの源泉になっている場合が多いことに気づきました。
強い劣等感をエネルギーに変え、比較の中で自分を向上させる彼らを見て、これはあるべき姿ではないのではないか?ととても考えさせられました。


こういった背景から、「自己肯定感」というワードに興味を持つようになり、考えれば考えるほど多くの世の中に存在する問題は、「自己肯定感」が足りないことから生じるのではないかと思うようになりました。
そしてその「自己肯定感」を満たすものは何か?と突き詰めた結果、「愛(特にまずは夫婦間の愛)」だと思い、今はキリスト教の牧師の道を目指すため神学校に通っております。


今後、どのようになるか未知数ではありますが、藤原様におっしゃっていただけたのでこちらにて報告させていただければ幸いです。
長くなり申し訳ございません。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

タイトルなぜ自己肯定感が低いか?宗教とは何か?
記事No4941
投稿日: 2019/09/24(Tue) 07:38
投稿者カズ
> 藤原様
>
> 本日は渋谷のカフェにて突然失礼いたしました。
> また、温かく受け入れてくださって本当にありがとうございました!!

 はい、日本の若者の自己肯定感(セルフ・エスティーム)が低いことは、私もたびたび指摘する問題です。ベンチャーの人事担当としてそれに気付き、(神学科に通い直して)牧師になってそれを支えようとする志にはエールを送ります。

 なぜ、自己肯定感(セルフ・エスティーム)が低いのか?
 私は近著『僕たちは14歳までに何を学んだか』(SB新書)に「根拠のない自信」という優しい言葉に言い換えて詳述していますが、主に原因は3つあると考えています。

(1)日本では、少子化と核家族化と、地域社会の崩壊もしくは後退が、戦後50年で一気に同時に起こったことで、親子と先生・生徒の「タテの関係」が強すぎてキツくなってしまった。
 「タテの関係」では、真面目で一所懸命な親ほど子どもに対して「◯」(よくやった!素晴らしい!いいじゃない!)よりも「×」(ダメじゃない!それやっちゃダメ!いけません!)を連発することになるので、自然、子どもは「◯」より「×」の方が多いから、自尊感情を傷つけられることに。

 本来は、兄弟が多数いれば、いなされたり、癒されたり、防潮堤になってくれたりするものなのですが、少子化と核家族化で、その「ナナメの関係」での干渉作用が効きません。

 さらに、地域社会でのお兄さん、お姉さん、おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃん役の人々が、地域社会の後退によって、本来のこの「ナナメの関係」の役割を果たせなくなっていることも効いています。
 その証拠に、おじいちゃん、おばあちゃんと同居している主に田舎の子(無条件に愛されている子)は、けっこう「根拠のない自信」を温存します。
 『僕たちは14歳までに何を学んだか』では、DMMの亀山会長のケースが典型的にこれに当たります。

(2)日本では、学校を中心とした教育システムが徹底的に「正解主義」で運営されること。家庭でも、学校でも、「早く、ちゃんとしている、いい子」が良いとされ、「早く、ちゃんと、いい子に」の呪文が百万回唱えられるのですから、たいていの子はこれに抗えません。
 さらに、この学校の「正解主義」が社会全体に滲み出していて、会社でも「正解主義」がいいとされる風潮もあると思います。
 これを社会学者は、「社会の学校化」と呼んでいます。

 最近の若者が、会社の仕事でトラブルがあったり、壁にぶつかると、自分で考えようとせず、すぐに上司に「どうすればいいんですか?」「何が答えですか?」「正解を教えてください」と聞くという傾向は、上司や人事部長が指摘するところです。

 日本社会全体が、戦後、アメリカ的な(物質的な)豊かさを目指して、学校を「正解主義」の殿堂とし、一致団結して情報処理力の高い(正解が初めにあって一つ一つのピース/部品を場所を間違わずにはめていくだけのジグソーパズル型の学力が高い)少年少女を増産したことが徹底的に日本人を呪縛しているのです。
 歴史的には、(参覲交代システムを含む)徳川の治世が、このような総サラリーマン化もしくは官僚主導の正解主義を準備したとも言われています。

(3)最後に、日本社会では、宗教の役割が機能不全だからです。

 「みんな一緒」という感覚が共有できる「成長社会」から、「それぞれ一人一人」という感覚が強くなる「成熟社会」では、本来、人々は個人の孤独感に耐えられないから、地域社会での「ナナメの関係」やそれを背後から支える宗教の役割(あなたは孤独だけれども、目に見えない大きな存在に見守られているんですよという物語を共有すること)が大事なのですが、敗戦の不幸な事実から、戦勝国によって国が宗教を発動することを禁じられてしまった歴史があります。

 だから、神社の地域社会をまとめる機能は後退したし、たいていの仏教は葬式屋さんに成り下がってしまったし(生きることに関与しなくなった)、キリスト教はご存知の通り、フランシスコ・ザビエル以来、度重なる熱心な布教にもかかわらず、1%の普及率です。隣の韓国の普及率が何割にも上っていることを鑑みれば、驚異的に低い浸透率ですよね。
 この点は名作・遠藤周作『沈黙』が余すところなくその原因を描ききっていると思いますが、日本人は豊かな自然に恵まれた島国に育ったので、「現世御利益」の思想が強く、神様が作り、神様が待つ「あの世」というのを、なかなか信じられないのだと思います。

 しかし、やっぱり、日々の迷いや悩みや挫折はあるわけで、さらに孤独感は成熟社会が深まれば今後ますます増していくわけですから、それを誰がどのように支えるのかは、表向き宗教が機能しない日本でも、必要性がどんどん増しています。
 新興宗教は、こうしたニーズを取り込んで成長しているし、狂ったようにSNSする若者たちは、宗教の代替物として、ネットでの「つながり」を求め、彷徨っているのだとも言えるのです。

 宗教の英語訳は「religion」。これは「relay」(つながり)や「relatives」(親戚)、「relation」(関係)と同じく、「religio」というラテン語を原語としているようです。
 個別に分けられた人間を、再び「ツナゲル」という意味です。

 神様は英語では「divine」、人間個人は「individual」。
 divineである神様から、一人一人を「in」=切り刻んだから「in-divine」なんですね。

 健闘を祈ります!
 

タイトルRe: なぜ自己肯定感が低いか?宗教とは何か?
記事No4943
投稿日: 2019/09/25(Wed) 16:47
投稿者牧師のたまご < >
参照先https://www.facebook.com/nobuyoshi13
このように、大変丁寧にご返信いただけまして、とても光栄です!
本当にありがとうございます!


>  しかし、やっぱり、日々の迷いや悩みや挫折はあるわけで、さらに孤独感は成熟社会が深まれば今後ますます増していくわけですから、それを誰がどのように支えるのかは、表向き宗教が機能しない日本でも、必要性がどんどん増しています。

本当にそう感じております。
自己肯定感のなさが、強烈な孤独感を生み出し、それが妬みや自殺へと繋がります。
これは解決しなければいけない問題だと考えています。

そんな中、私はこれらの問題の解決策は「教会」というコミュニティーではないかと考えるように至りました。
まず「教会」は第一義的に、「全てを創造した神様を信仰する群れ」でありますので、藤原様のおっしゃる通り「大きな存在に見守れれている」確信を持つことができるからです。

また、その他にも教会とは
・聖書を通し、無償の愛を実践できるようになるための教育機関であるということ
 →その中でも夫婦のあり方、子との関わり方、家族のあり方については多く教えています。
・一生涯にわたって所属できるコミュニティであるということ
・全ての世代が存在するため、それぞれのライフステージにおいて助け合い、励ましあえるということ
などが含まれるため、教会は自己肯定感の向上に大きな貢献が期待できるのではと思っています。



とはいえ、まだ学び始めて日も浅いので、今後もしっかりと身を入れて学び、何より自身の人格の成熟に投資してまいります。
また、状況の報告をさせてください。引き続き、よろしくお願いいたします。

タイトルRe^2: なぜ自己肯定感が低いか?宗教とは何か?
記事No4944
投稿日: 2019/09/26(Thu) 06:37
投稿者カズ

> そんな中、私はこれらの問題の解決策は「教会」というコミュニティーではないかと考えるように至りました。
> まず「教会」は第一義的に、「全てを創造した神様を信仰する群れ」でありますので、藤原様のおっしゃる通り「大きな存在に見守れれている」確信を持つことができるからです。

 キリスト教の本家・フランスでも、結婚式と葬式にしか教会に行かない若者が増えているようです。私たち家族がパリに住んでいた20年前にすでにそうでした。
 子どもが生まれると連れて行くという、教育機関としての役割は残っていましたが。

 結婚しない、子どももいない、日本でいう「お一人様」の心をどう支えればいいのか、は日本だけではない課題かもしれません。
 例えば、アメリカの方が生活するには厳しいかもしれないしね。留学されたら、ぜひ、その辺をじっくり学んできてください。