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タイトルシャンタラム
記事No4539
投稿日: 2018/12/13(Thu) 10:49
投稿者カズ
 インド投資に詳しい友人に薦められるがままに手に取った『シャンタラム』(新潮文庫)、今年170冊目の本として(上)(中)(下)1500ページ以上を読破しました。

 著者自身が体験した実話に基づく小説なのですが、かなり濃い味わいです。
 著者はニュージーランドの刑務所を脱獄してパスポートを手に入れインドのボンベイに流れ着きます。そこで最大のマフィアに雇われ、スラムで医師の真似事をしながら暮らすのですが、マフィアの親分の志に打たれてアフガニスタンの内戦に参戦・・・何度も生死の境を漂います。
 実際には、著者はその後に本国に帰って残りの刑期を全うし、この本を世に問うのです。

 解説を書いた養老孟司さんの言葉がこの本の本質を言い当てているので引用しますね。

 まず、「この分厚い本を読み始めたら、もう止まらない。カバンに入れて持ち歩き、一週間足らずでとうとう読み終えてしまった。」

 最後に、「この物語を読んで思う。人が生きるというのは、まさにこういうことではないのか。犯罪を奨励するのではない。著者もけっしてそんなことはしていない。快適と便利、安心と安全、そうしたものを追求することによって、私たちが同時に失ったものがある。血と涙と歓喜、それがじつは生きるということではないのか。むろん世界は生きている。われわれはどうなのか。読了して、それをしみじみと考えさせられてしまうのである。」と。