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タイトル中原中也詩集
記事No4531
投稿日: 2018/12/05(Wed) 12:53
投稿者USA
『中原中也詩集』(新潮文庫)吉田ひろ生

春日狂想
愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。
愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。
けれどもそれでも、業(ごう)が深くて、
なおもながらふことともなつたら、
奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なることなんです。
愛するものは、死んだのですから、
たしかにそれは、死んだのですから、
もはやどうにも、ならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、
奉仕の気持に、ならなけあならない。
奉仕の気持に、ならなけあならない。


素人ながらに何度か小説を書いてみて、自分の言葉に重みも深みもなく恥ずかしくなり、そこで手にとったのがこの本です。

さて、上記の詩ですが、「愛するもの」が誰なのか、中原中也の子供のことなのか、あるいはそれ以外の誰かか。そして中原中也自身は奉仕の気持ちをもって生きてゆくことができたのか、できなかったのか。
彼の詩を読んでいるといろいろな想像を駆り立てられます。それこそ彼の詩の魅力であり、彼の才能だと思います。