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| 組織を超えた個人と個人のネットワーク 進行中のプロジェクト報告 |
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![]() | ![]() *左写真:新特殊浴槽「ウイーラ・バス」。可動式の浴槽により、寝たきりや障害のある方の入浴をより快適に、また介護者の負担を軽減。 *写真上:「ヒルトコミュニケーション」。四肢に障害のある方でも一般のコンピューター操作を可能にしたインターフェイス。様々な障害に対応できるよう、いくつかの入力方法と音声による確認機能を搭載。 いずれも、ジェイケア社長 春山満氏の開発による。 | |
1989年10月、医療と福祉のはざま、“介護”のフィールドに異色のコンサルティング会社「J+care ジェイケア」が誕生しました。介護保険の導入を睨んで、在宅サービスを中心に“医療をコアとする”地域開発を企画する会社で、福祉機器の開発型ベンチャー企業の社長を務めている春山満氏と私の共同で立ち上げたプロジェクトです。“超高齢化社会を迎える日本にユーザーが納得できる介護サービスを”という願いを込めて、「ニッポンをケアする」=“ジェイケア”と命名。クライアントは主に在宅サービスに本気で取り組むつもりか、見直しをかけたい医療法人や地方自治体、そして地域開発会社などです。 ●地域に密着した細やかなサービスを図るジェイケア 「ジェイケア」はヘルスケア市場におけるベンチャー企業といえますが、その設立の仕方自体が極めてユニークです。春山氏と私の2人の個人出資会社に、リクルート社(R社)から2人の出向社員を1年の期限付きで迎え、さらにR社新規事業開発室の横に(もちろん賃料を払って)事務所を借りました。いわば、“パラサイト型”のインキュベーションともいえるもので、私はこれを“パラサイト・メソッド(寄生戦略)”と名付け、発表当時日経新聞の一面に取り上げられました。 設立から1年をかけ、R社の人材開発分野での20年の実績をもとに、病院や特養・老健・老人ホーム等の施設ならびに在宅サービスに関わる全従業員のサービスレベルをチェックするために開発されたのが「クオリティ・ドック(Q-Dock)」です。 「クオリティ・ドック(Q-Dock)」のようなモラルサーベイは、医療先進国のアメリカなどでは医者、看護婦も含めたマネジメント・データとして、医療機関や施設の経営者にとって必須のものとなっています。たとえば、全米最大の病院チェーン“コロンビア・グループ”などでは2年に1回6万人の従業員に対して定期的に実施され、経営上なくてはならないデータとして利用されています。R社と共同で一般企業の従業員モラルと組織システムの活性度を計る「組織活性度調査(OBS)」を原型に開発されたため、R社がこれまでに調査した2千社、3万職場のデータ(全体傾向値)との比較も可能になります。 顧客(主に在宅サービスの利用者家族)からの顧客満足度(CS)もあわせて調査するので、医療法人や施設のための“健康診断”あるいは“人間ドック”といった位置づけです。 療養型病床群で行われている“病院機能評価”と違い、第三者ではなく当事者が直接答えるスタイルで、ハード面よりソフトの面をとらえるため、顧客サービスのクオリティを簡単に(60日間で)診断できる画期的な調査・分析システムだと高く評価されています。 「クオリティ・ドック(Q-Dock)」は正式発表前にすでに在宅サービス分野でオピニオンリーダー的存在の2医療法人で導入が進んでいます。 「ジェイケア」では、現在2医療法人と別に1法人の“介護サービス”と“地域開発”のコンサルティングが進んでいます。「ジェイケア方式」の特徴は、 (1)地域の配食サービスに画期的な低コストシステムを構築できること (2)サービスのクオリティを決める従業員モラルの向上に独自のノウハウを持つこと。また組織風土を変える刺激剤としてキーになるセクションへ の新しい血=人材の導入もあわせて行えること (3)拡大するニーズに応えたアシステッド・リビング・タイプの介護型施設の開発に海外の豊富な事例から得た高品質の知見を持つこと にあります。 ますます医療福祉&介護の問題がクローズアップされる中、合理性だけが唱えられるのではなく、ケアする側もされる側もイキイキと輝ける心豊かな社会システムの構築をめざしています。 | ||
“高齢化事業”をキーワードに、介護グッズの開発で成功、 「ハンディ・ネットワーク・インターナショナル」。 春山氏は24歳で進行性筋ジストロフィーを発症し、現在は首から下がまったく動かず車椅子に乗ったままの状態なのですが、持ち前のバイタリティと明るさで精力的に活動しています。 1988年に全国初の試みとして、福祉のデパート「ハンディ・コープ」を大阪で開業。介護グッズの流通で大成功を納め、1991年には開発型ベンチャー企業「ハンディ・ネットワーク・インターナショナル」を設立しました。 “高齢化事業”をキーワードに東京海上、トヨタ自動車、大塚製薬、岡村製作所等と業務提携を推進中。「寝たきり老人の体を持ったスーパービジネスマン」として自ら開発した次の商品はいずれも大ヒットしています。 (1)新特殊浴槽「ウイーラ・バス」:寝たきりや障害のある人を、女性一人の簡単な介助で風呂に入れてあげられる可動式の浴槽。車椅子のまま、座席部分をスライドするだけで浴槽に入れられる。必要なスペースは3分の1、介護者の人数や手間、時間も3分の1で済み、おまけに価格も従来の3分の1と、施設での入浴や訪問入浴サービスの介護効率を圧倒的に向上できると評判。(上部の左写真) (2)イージーケアテーブル:丸いテーブルの周辺部に半月状の4つの切れ込みがあり、そこに食事介助を必要とする人を座らせた上で、片側からセンターに深く切れ込んだ介助者用のスペースに座ることで4人分の食事介助をいっぺんにできるテーブル。 (3)バリアフリー型ベンダーマシーン:お金を入れる部分と缶入りの飲み物が出てくる部分がマシーンの真ん中につくってあり、車椅子のままでも楽にジュースなどを買える自動販売機。バリアフリー大賞にも選ばれ、病院や施設に続々と導入されている。(右写真) このほかにも、パソコンとヘッドセットに赤外線センサーを取り付けることで、手や体に生涯があってもワープロを打ったりインターネットをブラウズすることができるコミュニケーションシステムをNTTと共同開発(上部の右写真)するなど、オリジナル開発のヘルスケア商品は12点を超えます。 | ||
| 春山満氏プロフィール | ||
| はるやま みつる 1954年生まれ。24歳より進行性筋萎縮症を発症。「障栄福祉情報センター」設立による活動を通じて、1988年に全国初の試みとして、福祉のデパート「ハンディ・コープ」を開業。1991年、白らの体験とこれまで培われてきたネットワークをもとに、総合ヘルスケア業「ハンディネットワークインターナショナル(HM)」を設立。「高齢化事業」をキーワードに、東京海上、トヨタ自動車、大塚製薬、岡村製作所等と業務提携を推進中。また全国114社に及ぶディーラーを通じて、12点のオリジナル・ヘルスケア商品を販売。同時に大手医療法人の経営コンサルティングも6件進行中。(いずれも1998年7月28日現在の数字) 1998年、高齢者医療・介護分野に新風を起こすべく、医療法人向けコンサルティング会社として「Jケア」を設立。著書に『どないしましょ、この寿命』(一世出版)、『生きる』(クレスト社)などがある。 | ![]() | |
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