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心のケアに努めるキッズ・アース・ホーム


「キッズ・アース・ホーム・クロアチア」で開催されたサマーキャンプ。300人の子供たちが参加し、充実した10日間を楽しんだ。こうした活動が、心に傷を負ってしまった彼らの精神的支援としてとても大切なのです。

 クロアチアではイタリア、ドイツ、デンマーク、スウェーデンなど国外に逃れている難民が15万人、家を失い国内の難民キャンプで生活している人の数が13万人、あわせて28万人が自立した生活に戻れないで苦しんでいます。この中には相当数の子供たちも含まれますが、目の前で両親を敵兵に撃ち殺された子、戦火の混乱で父親が発狂して家族全員を銃殺しようとして自分だけ奇跡的に生き残ってしまった子などがおり、心身のダメージは大人以上に大きいと言えます。
 大人はひとたび紛争が調停されれば、街を復興したり再び畑を耕し始めたり、肉体的には過酷だとはいえ明確な目標を持って日々の活動をすることもできるでしょう。ところが、子供は往々にして心に負ったダメージのケアが置き去りにされるため、闇雲に粗暴になったり非行に走ったり、結局、子供たちの心の底に将来の戦火の火種が残ったままになってしまいます。こうして戦争の再発を繰り返す可能性のある爆弾が、政治的な妥協や経済的な駆け引きとはまったく無縁のところで、子供たちの心の中に置き去りにされるのです。
 残念ながら、国連や各種の国際機関の活動は国内紛争や災害勃発時の緊急出動と物資の補給、復興のための物理的援助に限られており、こうした緊急事態の後に続く心のケアや、特に深く傷つく子供たちへの精神的支援はどうしても手薄になってしまいがちです。  クロアチアという国で起こった災難は、アフリカの飢餓やアメリカの移民問題とは種類が違って、ちょうど日本で起こった神戸大震災と同様に、豊かな国の平和に生活していた市民に突然襲いかかったものでした。
  家族がほとんど崩壊しているか、亡くなってしまった子供たちとの交流の中で「地球の向こう側に、あなたのことに関心があり、元気でいてほしいと強く願っているお兄さんやおばさんや、その子供たちがいる」というメッセージを伝えるために、97年7月から8月にかけて、クロアチアのトプスコ市にある「キッズ・アース・ホーム」でサマーキャンプが開かれました。
 300人の子供たちを5つのグループに分け、子供地球基金のスタッフと家族、ヨーロッパの各地から参加してくれたボランティアが一緒になって10日間のキャンプを行ったのです。キャンプファイヤーで歌を歌ったり、グループに分かれて劇を発表したり、スポーツ、水泳、ワークショップでの手芸、料理、お絵かき、折り紙などのアクティビティーを行い、言葉が通じる通じないに関わらず、最後には心を開いてコミュニケーションすることができました。

 「キッズ・アース・ホーム・クロアチア」の建っている丘は、紛争の激戦地で最後まで通信拠点として攻防が繰り返されたため、鳥居代表が初めて入ったときには、まだ血まみれの軍服やヘルメット、担架、毒消しの薬等が散乱していてひどい状態でした。そこに、子供たちの絵をクリスマスカードにしたり、カレンダーにした収益金と企業からの支援金でまず屋根を葺き替え、電気、水道、ガス、電話を引き、子供たちが寝泊まりできるようにしたのです。
 初日に水が止まって、1週間水無しの生活をするというようなハプニングもありました。工事を請け負った会社が古いパイプを使ったため壊れてしまったということです。やっと水が出たと思ったら、今度は停電。 紛争や災害直後で都市機能が麻痺している地域ではこのように、ただお金や物資を送るだけでは、私たちが目指すものが実行されにくいことも学びました。
 だから子供地球基金では、クロアチアだけでなく、ベトナムでも、現地のしっかりしたボランティア団体と連携を取りながら、スタッフが直接現地に出向き、候補地の選択から建設の現場監督まで行っています。完成後はその運営方法の指導、自主運営の支援まで、苦しくても直接自分たちの目で確かめながら、一歩一歩「子供たちの絵で地球を塗り替えよう!」というビジョンを実現してゆく姿勢を貫いています。
左はタイ、右はベトナムにて。お金や物資を送るだけでは本当の支援にはなりません。鳥居代表はサポートを必要とする子供たちとじかにふれあい、彼らに笑顔が戻るよう、優しさ、温もりによる心のケアに努めています。

 なお現在子供地球基金では、タイの「キッズ・アース・ホーム・チェンマイ」(12月オープン予定)で協賛してくださる企業もしくは個人の方を探しています。山岳地帯を移動するための自動車、電化製品、家具、寝具等が必要です。ただし運搬の問題もあり、タイ国内で調達できることが望ましいと考えています。ご協力いただける方がいらっしゃいましたら、E-mail(info@kidsearthfund.com)にて事務局まで直接ご連絡ください。


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